情報提供記事は注文をとらなければいけない

記事コンテンツから商品への明確なリンクが無ければ、検索エンジンから直接来たユーザは、あなたのサイトが関連する商品を売っていることに全く気がつかない可能性がある。

販売研修で最初に教えられるのは、注文を取ることだ。見込み客と仲良くなるだけでなく、明示的に商品を勧めなければならない。

多くのウェブサイトがこのステップを忘れている。

今では、非常に多くの企業が、内容が濃くて売り込み文句の少ない情報提供型のウェブサイトを持っている。ユーザは大げさな売込みよりも事実に興味を持っているので、これは良いことだと言える。ただ残念なことに、これらサイトの多くは情報提供に焦点を合わせすぎて、売り上げを失っている。

商品はどこ?

最近行ったテストで、ユーザに Procter & Gamble のサイトで子猫用の餌を探してもらった。1人のユーザは Eukanuba Kitten Chicken & Rice Formula を見つけ出すことに成功したが、ほとんどのユーザは失敗に終わった。ウェブサイトが子猫用の餌を勧めていたかという問いに対し、大多数のユーザは no と答えた。(この質問は、ユーザがサイトを実際に使っている最中の行動に影響を及ぼさないように、テストの最後に行った。)

P&G の名誉のために言っておくが、このサイトでペットフードの情報を見つけるのは容易だ。ホームページには、Pet Nutrition & Care (ペットの栄養とケア)という明確なリンクがあるし、”kitten food”(子猫用の餌)で検索すると、”Iams kitten food — choose the right formula for your cat”( Iams の子猫用食品 — あなたの猫にあった食品を選びましょう)という記事が 3 番目にヒットした。(このタイトルは情報の臭いが強くてよい記事なのだが、検索に引っかかったその他の多くの記事は “P&G — Feature Article”( P&G — 特集記事)や “News: XML Search.”(ニュース:XML 検索)といった、劣悪なタイトルが付いていた。)

Iams 子猫用餌のページは、Feeding Tips for Growing Kittens (成長期の子猫の食事)への明確なリンクがあり、それはとても目を引いた。テストユーザは全員このリンクをクリックした。この記事はとても興味深く情報も豊富だったので、全てのユーザが 4 画面分のテキストをスクロールした。この比較的長いページの最後に、ユーザは探していた答えを見つけた。子猫は完全な肉食で、動物性たんぱく質が必要であるということ。そして、新鮮な水もたっぷり与える必要があるということ。

テストユーザたちはとても満足した。彼らは子猫に何を与えればよいのか、良いアドバイスを見つけたのだ。残念なのは、P&G が彼らのニーズにあった商品を 売っていることに気付かなかったことだ。それどころか、彼らはページの上部隅の画像にあったブランド名にすら気付かなかったのだ。ページ上部の隅というのは必要がなければユーザが見ない場所だ。

このページには “May we recommend a product for your cat?”(あなたの猫にお勧めの製品は?)というリンクがあったのだが、左側の余白部分(ここもユーザがまず見ない場所)にあり、ユーザが探していた情報を見つけるずっと前に見えなくなっていたのだ。

本文(ユーザが実際に見るところ)には注文を取るためのリンクがなかったので、ユーザは、たぶんプロモーションを行っていたであろう製品が売られていることに気付くことなく、サイトを立ち去ったのだ。

情報提供と販売:バランスの取り方

情報提供記事が良いと言える理由はいくつかある。

  • 知識を提供することによって、信頼を高める
  • キーワードやコンテンツが充実しているので、検索エンジンでの見え方が向上し、トラフィックを呼び込むことができる。
  • 複数の商品を扱っている場合、商品比較を手助けすることができる。
  • 商品を買うことがよい選択だと、周りの人たちを説得する(上司や配偶者など)ための情報を支持者たちに提供する。

情報提供記事のなかでは、売り込み文句をトーンダウンするのが適切だ。商品を売ることに専念しすぎると信頼が失われる。しかし、もし記事が全く商品を売ろうとしていない場合は売り損いになる。

多くのユーザが検索エンジンから直接、記事に入ってくるということ、そして彼らはサイトの残りの部分を見ていないということを覚えておこう。これは良いことなので、トラフィックを増やすために、直リンクの拒否すべきではない。しかし、このようなユーザたちは、普通、記事の本文に直接入ってきてしまって、企業名を見なかったり、関連商品を売っていることに気付かないかもしれないのだ。

彼らが 1 ページ限りの訪問をしている場合でも、ユーザが見る可能性がある場所で製品に言及しよう。ページの本文領域と、記事の最後で製品に言及しよう。もしその記事が良い記事で、肝心な質問に対して答えているならば(むしろ、答えていなければならないのだが)、ユーザはページの周辺部分には目を通さない。そして間違いなく、ページ上部にあるロゴを見たり、宣伝文句を読んだりする時間を割くようなことはしない。

情報提供と受注のよいバランスを作るように努力しよう。製品について言及しなければ、居候を呼び込むことは出来ても、商売はできない。

詳しくは

ここで何か商品を提示しなければ、私は自分の作ったガイドラインに違反することになる。eコマース・ウェブサイトに関する調査や、ウェブの文章作法に関するセミナーを試してみてはどうだろう。

2004年8月23日