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今回の特集は、日ごろお使いのATM(現金自動預け払い機)の使いやすさについて、皆さんがどのように感じているのかを調査した結果をご報告致します。
調査概要
- 調査手法:インターネットアンケート
- 調査期間:2000年 5月26日(金)〜6月2日(金)
- 有効回答者数:4983人
- 性別:男 51.8%|女 47.5%
- 年代:10代 2.4%|20代 34.4%|30代 43.4%|40代 14.8%|50代以上 2.5%
調査結果の考察
ATMは日ごろ大多数の人が利用している機器であり(ATM 使用経験あり 92% 本調査より)、そのため今回の調査では、「使いやすい・使いにくいと感じたところ」について、たくさんの具体的なコメントをいただきました。特に「使いにくさ」を感じたことがあると答えた人は、全体の72%にものぼっています。
社会にこれだけ普及した製品に対して、これだけ多くの人が「使いにくい」という印象を持っているということは、メーカーが早急に問題点の改善に取り組む必要性があるということを示唆しています。
また、ユーザーにとっては「使いやすさ」より「使いにくさ」のほうがより印象に残りやすいということがわかりました。「使いにくくない」製品をつくるためのネガティブチェックとともに、ユーザーの印象に残るような「使いやすさ」、魅力要素としての「使いやすさ」をアピールしていくことがメーカーの今後の課題となるでしょう。
コメントの具体的な内容を見ると、「使いやすさ」「使いにくさ」ともに、多くのコメントは「振り込みの手順」・「タッチパネルの操作性」に集中しています。「振り込みの手順」については、「簡単にできる・できない」、「タッチパネル」については「押しやすい・押しにくい」「見えやすい・見えにくい」などです。
このような正反対の評価コメントの存在は、ATMがまだ発展途中のインターフェースであるということを表しているともいえます。つまりATMは普及はしているけれど、未だ完成されていないインターフェースであるといえ、メーカーの一層の努力が望まれます。
また、「簡単・便利」なものが「使いやす」く、「複雑・面倒・ストレスがたまる」ものは「使いにくい」と考えられているようです。今後の製品開発においては、身体適合という側面はもちろんのこと、心理的適合が「使いやすい」製品とされるための重要な要素となると推測されます。「使っていて快適」な製品をあらゆる側面から考えることがユーザーの立場に立った製品開発といえるのでしょう。
ATMの「使いにくさ」「使いやすさ」
ATMを「使いやすい」あるいは「使いにくい」と感じた経験の有無について尋ねたところ、以下のような回答結果を得ることができました。すべて、自由記述でご回答いただいているので、コーディング(意味が同じものをグループ分けしていく)という方法で数量化しています。
Q「ふだん使うATMについて、「これは使いにくい」と感じることはありますか。という質問に対して…
A:
「操作性などの面で使いにくいと感じることがある」 72%
「機能・サービスの面で使いにくいと感じる」 19%
「使いにくいと感じることは、とくにない」 9%
Q「ふだん使うATMについて、「これは使いやすい」と感じることはありますか。という質問に対しては…
A:
「操作性などの面で使いやすいと感じることがある」 49%
「機能・サービスの面で使いやすいと感じる」 25%
「使いやすいと感じることは、とくにない」 26%
以上のような回答がでました。この集計では「24時間使える・使えない」や「振り込み機能がついている機種が多い・少ない」などの「機能・サービスの面で使いやすいと感じる」という回答と、「操作性などの面で使いやすいと感じる」という回答とを区別しています。
実際に、どのようなところに「使いにくさ」や「使いやすさ」を感じているのかを見てみましょう。
ATMの使いにくさについて
「使いにくさ」ついての指摘では、タッチパネルが圧倒的でした。これに続いて、「振り込みのしにくさ」と「ミスからの回復が面倒」という声が多く挙がっています。
「使いにくさ」についての実際のコメントのを以下にご紹介します。
「タッチパネルの使いにくさ」について
- タッチパネルの反応が悪い
- タッチパネルのボタンの間隔がすくないため、押し間違ってしまう。
「振り込みのしにくさ」について
- 振り込みをする際にカードのみしか利用できない(現金不可)のは使用しづらい。
- 何度も振り込みをする時暗証番号を都度入力しなくてはならない。
- 振込みの時の名前など明細を入力するのが面倒。長い名前だとひらがなを探すのが大変だ。
「ミスの復帰のしにくさ」について
- やり直しがどこまでもどるか不明。1つ前の画面に戻れないのはいや。
- 間違った作業の訂正方法が難しいのはやる気を無くす。
「処理スピードの遅さ」について
- 通帳の待ち受け時間が短く、もたもたしているとキャンセルされてしまう。
- これはかなりストレスのもととなるし、行列の原因なので何とかしてほしい。
「ガイド・説明のわかりづらさ」について
- 振込みなどで、説明不足。そのために時間がかかり待つのが長い。
- 機械上で説明文を読んでもすぐに理解出来ないことがある。
- 同じような言葉、「現金と通帳」「現金と振込帳」カードと・・・」などが並んでいるので、選び間違いをすることがある。
- 少しでも(0.5秒でも)間があくと、「○○してください」とすぐにアナウンスされる。うっとうしい。画面ガイド・説明がわかりづらい。
「銀行・支店によってインターフェースが違う」について
- 銀行によって、規格というかキーの操作が違うと戸惑ってしまう。
- 郵便局のATMは、通帳挿入方向が銀行のと違って、とても入れにくい。
「荷物の置き場・スペースが狭さ」について
- 荷物の置き場所がなく、やむを得ず機械の隅においていると、コンピューターにしかられる。
- 子供と一緒のとき、隣との間隔がせまくてつかいにくい。
「故障の多さ」について
- 古い機械だと通帳が磁気異常で使えない事がよくある。
- 磁気が弱く、通帳がすぐ使えなくなってしまう。
「画面の見にくさ」について
- 照明が画面に乱反射して見難い。
- 画面にいっぱい文字(振り込み等)があると 見難く感じる時が有る。
- 用語が統一されていない。(当たり前と言えば当たり前だけど) 各社独自の用語を使ってるので,お年よりなどは戸惑うことがあると思う。
- 横に並んでいる数字。それを押すと暗証番号が入る。横に並べないで、電卓のように並んでいる方が、周りからもわかりにくく、早く打てる。
「文字入力のしにくさ」について
- 振込みのときに入力が必要なデータが多い。
- 入力に少し時間が掛かる
「手順が複雑」について
- 各ATMで使い方が異なる場合がありとまどう。振り込みはややこしすぎる銀行毎にインターフェースが違う
- 利用時間が限られている。多くの人が並んでいると、長く利用するときにプレッシャーを感じる。もっと簡潔な手順で操作できるようにしてほしい。
その他
- 少しでもお札が折れているとうけつけないので、いらつく時がある
ATMの使いやすさについて
一方、「使いやすさ」についての指摘では、「振り込みのしやすさ」、「タッチパネルの使いやすさ」などが上位に上がっています。また、簡単、気楽、便利などの主観的な満足度もユーザーが「使いやすい」(ユーザビリティが高い)と感じる重要なポイントになりそうです。
「使いやすさ」についての実際のコメントの中から主なものを挙げると、以下のようになります。
「振り込みのしやすさ」について
- 振り込みカードが使いやすい。
- 一度振り込み先を登録すると次から入力しなくてよいのが便利。
「引き出しのしやすさ」について
- 1万円、2万円、3万円、5万円、と払い戻しのボタンがついている。
- 金額が予め指定されていて金額の入力の手間を省いてくれること。
「タッチパネルの使いやすさ」について
- タッチパネルで操作出来るものは、ボタンを探す手間が省けて使いやすい。
- 処理スピードがはやい。反応がよい・はやい。
- 視覚効果も重なって押したという実感があり、 間違えにくい。
- 画面表示が見やすい(EX:字が大きくてみやすい)
- 数字の配置が電卓と一緒だとわかりやすい。
- タッチパネル・ボタン併用のほうが使いやすい。郵便局のものは、画面の外に押しボタンがついている。 確実に入力ができる。
「ガイド機能の使いやすさ」について
- 音声ガイドがわかりやすい
- 音声案内さえ聞いていれば、できるので便利。
- 使い方について、画面に説明が出たり、画面の横のほうに説明がある。画面で操作できる。
- 次に使うボタンや挿入口などの案内を点滅して教えてくれる機能はわかりやすくて使いやすいと思います。
「主観的満足度」について
- 簡単・気楽・便利に使える。
- 銀行職員と会わなくてよい。
- 受付でいつ名前を呼ばれるんだろう・・って、イライラして待つより、ATMを利用した方がイライラしなくて済む。
「その他」
- オプションが用意されている
- 明細書が必要かどうか選べる
上記以外に障害者の方のコメントも頂きました。
- 車椅子を使っているため機械が低いものが使いやすい。
- 車椅子だと、位置が高すぎるし、車椅子を前に着けても 足が入るスペースがないから、使いにくい。
以上、皆さんも同じようなことをお感じになった経験があるのではないでしょうか?うまく使えないのは決してご自分のせいだけとは限りません。日ごろ感じていらっしゃることを共有して、メーカーの皆さんにも一緒に考えていただきましょう。
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