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Update : 2009/5/12
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2009 年 4 月 27 日

世界最良のヘッドライン:BBC News

要約:
わずかな言葉で正確に情報を伝えられるか? BBC Newsの編集者は、それを毎日やりぬき、ユーザビリティに優れたヘッドライン(記事見出し)を掲げている。

ウェブ用に記事を書くことや、その記事を簡潔で、流し読みしやすく、客観的な内容のガイドラインに合わせるには、かなり大変な作業である。ましてやウェブのヘッドラインを書くともなれば、次のような条件が求められるため、なおさら大変である。

  • 文は短く(オンラインでは熱心には読まれないため)。
  • 情報の匂い(手がかり)をふんだんに漂わせ、要点を明確にまとめる。
  • 最重要キーワードを文の先頭に持ってくる(ユーザーは各項目の先頭しか流し読みしないことが多いため)。
  • 文脈なしでも意味がわかる(ヘッドラインは、検索エンジンの検索結果と同じように、本文なしで表示されることが多いため)。
  • リンク先の内容がわかるようにする。そうすればユーザーは、望みどおりの内容かどうかを知ったうえでクリックできる(期待外れのサイトに人は戻ってこないため)。

ここ数年、BBC Newsのヘッドラインには大いに感心している。BBCのメインホームページもそうだし、BBCのニュースページもそうである。おおかたのサイトはヘッドラインに関するガイドラインに背いているのが常だが、BBCの編集者は終止変らずみごとな仕事をしている。

簡にして要を得る

BBCのニュースページに最近アクセスしたところ、[OTHER TOP STORIES]セクションには次のようなヘッドラインが並んでいた。

  • Italy buries first quake victims(イタリア 地震被災者 初の葬儀)
  • Romania blamed over Moldova riots(モルドバ暴動 ルーマニアを非難)
  • Ten arrested in UK anti-terrorism raids(英国 反テロ法違反10名逮捕)
  • Villagers hurt in West Bank clash(ヨルダン川西岸 小競り合いで住民負傷)
  • Mass Thai protest over leadership(指導体制をめぐりタイで集団抗議行動)
  • Iran accuses journalist of spying(イラン 記者をスパイ罪で告訴)
箇条書きの先頭の黒丸も含めて38語で世界を網羅している。

平均的なヘッドラインの長さは、わずか5語34文字にすぎない。このわずかなスペースに詰め込まれた情報量たるや驚くべきほどである。無駄な言葉がひとつもない。これほど簡明に記述することは私には無理である。

どのヘッドラインもそうだが、わざわざクリックしなくても記事の要点が伝わるようになっている。もっと優れている点は、クリックした場合にどのような情報が得られるかが非常につかみやすくなっているため、ヘッドラインを見ただけで、興味のある記事かどうかがほぼ間違いなく判断できることである。その結果、無駄なクリックをしなくても済むようになる。読みたい記事のところまでクリック操作で正確にたどれるようになるわけである。

BBCのニュースページに並んだヘッドラインには、あえてキー操作をするだけの価値があるのである。

たとえば、ある速報には、"Suspected US missile strike kills four militants in tribal region in north-west Pakistan, officials say."(当局者によれば、米軍のものと思われるミサイル攻撃によってパキスタン北西部の部族地帯で過激派が4人死亡した)というヘッドラインがついていた。

これなら読者は、何が起きたかが確かにわかるし、最初の4語を読んだだけで概要もつかめる。

ヘッドラインの担当者は、スペースを節約するためか、"officials"(当局者)の具体名をヘッドラインには載せないで、記事のほうに載せることにした可能性がある。そうした情報は、ヘッドラインを流し読みする段階では知る必要のない情報である。もっとも、名の知れた人物や問題になりそうな情報源がミサイル攻撃の犯行声明を出した場合は別であるが、その場合は逆に、具体名を出すことで、ユーザーがクリックするきっかけになることもある。

また、オンライン用の文章には算用数字が望ましいという一般的ガイドラインを考えれば、"four"ではなく"4"を使うのが良いだろう。しかしこのヘッドラインの場合は、"four"という単語でも算用数字でも同じである。死亡した過激派の詳しい人数を知るために、ユーザーがトップページを流し読みすることはあまりないからである。むしろそうした情報を調べるときは、まずミサイル攻撃に関する記事を検索してから、記事を何本か流し読みして具体的な数字を求めるのが普通である。

成功の源とは?

他のほとんどのサイトが非常にひどいというのに、BBCのサイトがこれほど優れているのは、なぜか? それはBBCに代々受けつがれてきた伝統かもしれない。報道機関であるBBCは、もとはラジオ局としてスタートした。ラジオ局では、語数が重視され、リスナーの心をつかむためにわかりやすく情報を伝えなければならない。音声媒体の場合、言葉は発した端から消えてゆくため、文章が理解しにくいとなれば、活字媒体よりずっと大きな混乱が生じる。

BBCの記者は、簡潔な文章の大切さを身に染みてわかっているが、それにはCeefax(シーファックス:今も残る数少ない文字多重放送サービスのひとつ)も一役買っている。低解像度テレビに表示される文字は分解能がひどいため、ごくわずかの文字数しか表示できないからである(ある意味、携帯電話に似ている)。

理由は何にせよ、ウェブユーザビリティに関して言えば、BBC Newsのヘッドラインはほぼいつでも最高の水準で書かれている。BBCのサイトに1週間毎日アクセスして、BBCの編集者のやりかたを自分のサイトのヘッドラインにも真似てみよう。

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