USABILITY
 Update : 2009/07/02
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What's Usability?

ユーザビリティは、日本語では「使いやすさ」と訳されています。しかし、この「使いやすさ」を定義するのは、大変難しいと考えられています。なぜならば、製品の性格やその製品を使うユーザ、その製品をユーザが使う利用状況などによって、「使いやすさ」は様々に変化するからです。さらに、あらゆる製品は新しい機能が備わったり、新しいデザインになったり、日々進化しつづけています。製品の進化に伴って、「使いやすさ」も進化しなければなりません。

このような理由から、最近では「使いやすさ」とは、製品開発をユーザの視点で行い、製品の「使いやすさ」を考慮した製品開発プロセスを継続することそのものであるとの見解も出てきています。そのような動きの中でも、認知度の高いユーザビリティの定義をいくつかご紹介いたします。

■ISO9241−11において定義されるユーザビリティ

ISO9241−11は、ユーザビリティの定義を行い、ユーザーの行動と満足どの尺度によって、ユーザビリティを規定又は評価する場合に、考慮しなければならない情報を、どの様にして認識するかを説明している国際規格です。

  • Usability (ユーザビリティ):

Extent to which a product can be used by specified users to achieve specified goals with effectiveness, efficiency and satisfaction in a specified context of use.

特定の利用状況において、特定のユーザーによって、ある製品が、特定の目標を達成するために用いられる際の、有効さ、効率、ユーザーの満足度の度合い。

  • Effectiveness (有効さ):

Accuracy and completeness with which users achieve specified goals

ユーザが指定された目標を達成する上での正確さ、完全性

  • Efficiency(効率):

Resources expended in relation to the accuracy and completeness with which users achieve goals

ユーザが目標を達成する際に、正確さと完全性に費やした資源

  • Satisfaction(満足度):

Freedom from discomfort, and positive attitudes towards the use of the product

製品を使用する際の、不快感のなさ、及び肯定的な態度

  • Context of use(利用状況):

Users, tasks, equipment(hardware, software and materials), and the physical and social environments in which a product is used

ユーザ、仕事、装置(ハードウェア、ソフトウェア及び資材)、並びに製品が使用される物理的及び社会的環境

■「ユーザビリティエンジニアリング原論」におけるユーザビリティの定義

ウェブユーザビリティの権威であるJakob Nielsen博士が、その著書「Usability Engineering」のなかで語っているユーザビリティの定義をご紹介します。

Jakob Nielsen博士は、その著書の中で、システムの受容性を最上位概念とし、その下位概念としてユーザビリティが存在するとしています。「システムの受容性とは、システムがユーザおよびそのクライアントや管理者すべてのニーズと要求を満たしているかどうか」ということです。

ユーザインターフェイスのユーザビリティは、5つのユーザビリティ特性からなる多角的な構成要素をもっているとしています。

  • 学習しやすさ :システムは、ユーザがそれをすぐ使い始められるよう、簡単に学習できるようにしなければならない
  • 効率性 :一度学習すれば、あとは高い生産性を上げられるよう、効率的に使用できるものでなければならない
  • 記憶しやすさ : ユーザがしばらくつかわなくても、また使うときにすぐ使えるよう覚えやすくしなければならない
  • エラー : エラーの発生率を低くし、エラーが起こっても回復できるようにし、かつ致命的なエラーは起こってはならない
  • 主観的満足度 : ユーザが個人的に満足できるよう、また好きになるよう、楽しく利用できなければならない

繰り返しになりますが、ここでご紹介しているユーザビリティ特性は、すべてのユーザにあてはまるものではありません。Jakob Nielsen博士も「同じシステムを違うユーザが違う作業に使えば、対象とするユーザビリティ特性も違うという結果になりかねません。(中略)ユーザビリティ測定はテスト作業の形態、つまりどのユーザビリティ特性を測定するのかを決定するところからスタートするのです。」といっています。

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■ユーザ工学におけるユーザビリティの定義

ユーザ工学とは、マーケティング、品質管理と並んで、製品の魅力を高めるための「使い勝手」を考えた製品開発という方法を提供するものです。メディア教育開発センター教授の黒須正明氏が代表的提唱者です。

ユーザ工学は、実用的な受容可能性の中の有用性(usefulness)を目標としています。これは、日本語の「使い勝手」という言葉に対応するとされています。この有用性(usefulness)の中に含まれている特性の内のひとつがユーザビリティなのです。有用性(usefulness)を構成するもう1つの要素はユーティリティであり、これは、製品の機能や性能に対応します。これは、上記でご紹介していますJakob Nielsen<博士の考え方がベースになっているそうです。

ユーザビリティは、操作性(取り扱いのしやすさ)、認知性(分かりやすさ)、快適性(心地よさといった下位概念が含まれているとしています。

従来の製品開発は、ユーティリティ重視になりがちでしたが、人間中心設計の考え方の広まりや、製品の機能飽和、IT化の流れがユーザビリティへの注目を高める要因になっています。

<関連情報>

Jackob Nielsen博士や黒須教授が提唱しているユーザビリティの考え方は、ISO13407よりも狭い範囲になっていると考えてよいでしょう。黒須教授は、最近行われた第9回ヒューマンインタフェース研究会「ユーザビリティ及び一般」において、ユーザビリティには、3つの概念があるようだと仰っています。

  1. ISO13407で定義されているユーザビリティ (これが一番広い意味で捉えられているユーザビリティ)
  2. Jackob Nielsen氏や黒須教授が提唱するユーザビリティ(効率等はUtilityに含まれるのでここでのユーザビリティには含めない)
  3. Use+ableで表わされるユーザビリティ (今まで使うことが出来なかったものが使えるようになること)
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