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2012年 イントラネット・ベスト10

公開:2012年1月27日付 著者:ニールセン博士
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要約:

今年度、ソーシャルネットワーキングとパーソナライゼーションはレベルが上がった。一方、モバイルイントラネットは経験を積む状態が続いている。また、小規模の組織ではイントラネットデザインチームの人数が増え、デザインの質が向上した。

Jakob Nielsen(ヤコブ・ニールセン)、Kara Pernice著

 

2012年の優れたデザインのイントラネット、ベスト10は以下の通り:

今年度のイントラネットのほとんどが組織全体をサポートするものだが、CenturyLinkのサイトは社内のBusiness Marketsグループにターゲットを絞っていることが明らかな専門イントラネットである。

今回、12回目になるIntranet Design Annual (:イントラネットデザインについての年次レポート)で、2006年にも入賞しているStaplesは(全部で120社のうちの)7社からなる複数回受賞企業というエリートグループの仲間入りをした。複数回、名誉を受けたそうした企業とはCisco Systems(2001年2005年)、 Credit Suisse(2002年2011年)、Verizon Communications(2005年2011年)、Walmart(2002年2010年)である。また、Deloitte Touche Tohmatsuはオーストラリアのメンバー会社のイントラネットで2002年に、その後、世界規模のイントラネットで2009年に受賞している。最後になるが、silverorangeは2001年にこのコンテストの1回目に入賞し、さらに2003年には奨励賞に選ばれている。

Staples等、複数年入賞団体のデザイン能力と組織としてのイントラネットへの継続的コミットメントは賞賛に値する。こうした組織がイントラネットのデザインを「設定したら触らない」ものとは決して見なしていないということの意義は大きい。これらの企業は最初に受賞したデザインを維持させることを考える代わりに進化させ続けた。それは彼らが以下の3点の重要な要素を理解していたからである:

イントラネットデザインの最前線にいる業界として、今年、受賞団体が出たのは7分野である:

テクノロジー企業はカムバックを果たした。昨年はハイテク業界からの受賞がなかったが、今年度、彼らは全体の3割を占めた。2001年にコンテストが始まって以来、Design Annualの受賞団体の22%がいまやテクノロジー分野によって占められている。

公益事業とエンジニアリング業界は共にデザインに関する地位を築きつつある。今回で3年連続受賞業界として選ばれているからである。そして、バイオテクノロジー企業と消費財の企業が今年初めて受賞企業リストに登場した。

過去、ほとんどの年に非常に健闘してきたからといっても、世界規模の金融恐慌を考えると、今年、金融業界からの受賞がないことは驚くにあたらないだろう。ただし、彼らの実績からすると、もっと多くの金融系企業がイントラネットに時間とリソースを費やしていたなら、金融業界から受賞企業を輩出できていたのではないかと思う。

アメリカとヨーロッパの経済が良くないからといって、欧米のイントラネットデザインもそうだというわけではない。今年度の受賞企業の所在地は以下の4カ国である: アメリカ 6団体、イギリス 2団体、ドイツとスウェーデン 各1団体。これらの国のいずれもが我々のトップ10リストでは珍しくない。1回目のDesign Annual以来、アメリカの団体は63回、イギリスは10回、ドイツは7回、スウェーデンは6回の受賞を経験している。こうした成績はどれもすばらしいものだが、国の規模からすると、スウェーデンの記録は目覚ましいものといえよう。

小規模な企業のイントラネットの質は依然高い

今年も小規模の組織が良質のイントラネットをデザインしつづけており、この傾向は過去3年間変わらない。今年受賞のイントラネット10件のうちの6件が15,000人未満の従業員をサポートしているものであり、規模の小さいところでは、LivePersonの従業員数は550人、CenturyLink Businessが2,000人、Scotts Miracle-Groが8,000人、Genentechが11,000人だった。今年の受賞団体で一番規模が大きいのはStaplesだが、そこには55,000人の従業員がいる(そして2012年末までにはそれを90,000人に拡大する予定がある)。

今年度の受賞組織の平均従業員数は19,700人で、このコンテストを始めて以来、(2004年の政府組織のみに絞ったAnnualを除くと)12年間で最も少ない数字である。過去3年間の平均従業員数は2011年は37,900人、2010年は39,100人、2009年は(140万人の店員を抱える巨大なWalmartを除外すると)37,500人だった。この数字には3年連続で基本的変化はない。したがって、今年の受賞団体の規模が非常に小さいということが目立つ。12年間のDesign Annualを通しての受賞団体全体の平均従業員数は60,000人である。ここからも今年の受賞団体の規模の小ささは際立っているといえるだろう。

テクノロジーが今回の小規模な組織の成功の一因になっている可能性もあるだろう。長期的なトレンドとしては、デザインに良質なユーザビリティを取り入れるのが容易になり、小さな会社でも質の高いユーザーエクスペリンスに手が届くようになってきている。

こうした小さな組織での目的や制約、リソース、レガシーシステムは実にさまざまだったので、彼らが選択した技術もまたいろいろであった。例えば、LivePersonはSASプラットフォームのベンダーであるJive Software社の製品をイントラネットの提供とソーシャルビジネスのソフトウェアソリューション、コンテンツ管理システム(CMS)という3つの目的のために利用し、社内の開発者が自分たちのニーズに合うようにそのシステムをカスタマイズしていた。デザインがシンプルなこと、トレーニングをしたこと、そして、コンテンツへの投稿を後押しする社風もあって、平均すると全社員の52%にあたる従業員が毎月イントラネットへの投稿を行っている。

CenturyLink Businessのアプリケーションコアはオープンソースのウェブアプリケーションフレームワーク、Ruby on Railsを利用してRubyで開発されたカスタムCMSである。イントラネットの開発者は社内も社外のデザイン事務所も、その適応性の高さを享受しているが、オープンソースプロバイダー(この場合はPeak Systems)によるアップグレードとパッチに頼らずともやっていけるだろう。これは外部のベンダーによるアップグレードの規則性を考えると特にそう思われる。

Scotts Miracle-Groの社内開発者はSAPのWeb Page Composerツールを利用し、SAP NetWeaver Portal上に「The Garden」を構築しているが、Scottsの技術チームは両者に大幅な変更を施している。

最後になるが、Genentechがイントラネットのデザインを変更した目的の1つは、2008年のソリューションの技術を彼らのビジネスゴールにより合った技術に入れ替えることにあった。予想外の依存関係(例えば、コンポーネントAをアップグレードするとBとCをアップグレードする必要も出てくるなど)によって、そのプロセスはチームのメンバーの見込みよりも困難なものとなった。しかし、彼らは最終的にはMovable Typeを自分たちのCMSソリューションとして選択し、エンタープライズポータル(Vignette/OpenText)をいくつかのSSOコンポーネントや付加的な技術と共に削除した。そして、自分たちのニーズに合わせるために、Adobe SuiteやいくつかのApple専用のソフトウェアのようなデザインツールを利用した。

チームサイズは拡大: チームはより多人数でたくさんのことをするように

受賞した組織の平均従業員数は約20,000人だったが、イントラネットチームのサイズは15人までに増加し、従業員1,000人あたりのイントラネット担当者の人数は1人弱となった。最小規模のチームの構成人数は6人で、Everything Everywhere(従業員15,000人)とLivePerson Inc.(従業員550人)の両社がそうだった。規模が一番大きかったチームはNCR Corporation(従業員21,000 人)の26人だった。こうした数字は実情よりも多いものと思われる。というのも、イントラネットチームの人数を数えるとき、我々は現場で働いているフルタイム勤務者とパートタイム勤務者だけでなく、(コンサルタントやデザイン事務所のスタッフのような)組織外の人も入れているからである。

企業規模に占める割合としてのチームサイズは2011年のそれの倍以上となり、これまでで最高の0.074%に達した。そして、(組織のサイズに占める割合としての)イントラネットのチームサイズが、いまや2001年時点の6倍になっているというのはさらに目を引く事柄だろう。

ただし、留意しなければならないのは、受賞10チームのうちの8チームがデザイン変更プロジェクトの際には外部のデザイン事務所やコンサルタントと一緒に作業していることである。したがって、チームのこの部分のリソースには継続性が保たれない。そうはいっても、社内と社外の開発者を組み合わせるというのは無敵の方法である。社内チームはその組織や従業員、ビジネスニーズについてよく知っているし、社外チームは経験から得た、リソースや技術、今のデザイントレンドやスキルについてより豊富で幅広い知識を持っているからである。Design Annualの初めのころ、イントラネットはほぼ外部の事務所のみによってデザインされることが多かったが、このトレンドも今は昔である。今日では社内のチームが外部のデザイン事務所と一緒になって作業することが当たり前になっている。事実、社内と社外のチームメンバーが組み合わさっている受賞団体の数は、2008年には3、2009年には6、2010年には7、2011年と2012年の両年は8と、近年、着実に増加してきている。

モバイルイントラネット: 発育不全

2009年になると良質なモバイルイントラネットデザインを目にする機会が増えはじめ、受賞イントラネットの30%がモバイルバージョンを持つようになった。2011年にはこの数字は倍の60%となり、モバイルスペースの未来はさらに明るいように思われた。しかし、悲しいかな、今年、その数字は10%にまで落ちてしまい、唯一、GenentechのみがiOS対応のアプリのモバイル表示版を提供していた(この会社ではAppleが社内の主要プラットフォームである)。LogicaとScotts Miracle-Groの両社もネットワーク上でモバイルイントラネットへのアクセスを社員に提供しているが、どちらもモバイル向けに最適化したものではなかった。

モバイルのイントラネットスペースの採用が拡大しないのには3点の理由があるように思われる:

モバイルイントラネットに絞ったさらなる洞察を待つ間は、モバイルのウェブサイトやアプリのためのユーザビリティガイドラインに従うのが最初のステップとしてはいいだろう。それ以外のユーザーエクスペリエンスの側面として、イントラネットのユーザビリティはウェブのユーザビリティの上に構築されることが多いように思う。というのも、イントラネットユーザーはウェブサイトも利用するため、彼らの期待の多くは一般的なサイトの経験から形作られるからである。それはモバイルデザインでも同じだろう。

UI要素を進化させる

デザインと組織を支援する

ソーシャル!

以下も参照: 「Enterprise 2.0」 — イントラネットのソーシャル機能での徹底的な調査。

ROI

ここ数年、イントラネットチームの中には断片的ではあっても投資利益率のデータを集めているところが多い。それが一番顕著なのがCenturyLinkとEverything Everywhereである。その共通する測定テーマは人々が何かを探している間に閲覧するページが減っているかどうか(これによってIAや検索、相互リンクの質がわかる)、イントラネットをより使うようになっているか(これによってエンゲージメントの度合いがわかる)、あるいは適切なエリアで過ごす時間が増えているか(これによってエンゲージメントの度合いと正しいコンテンツを探し出す能力の両方がわかる)、である。

GenentechやLivePerson、Logica、Scotts Miracle-Gro、Staplesはユーザーの興味の指標として、コメントや記事ごとのレーティング、写真の提供、ブログの投稿、項目へのタグ付け、投票への参加といった別の項目を挙げていた。

NCRは部門内にコンテンツが留まることによる影響についての指標を集めていた。過去、ユーザーは、あるイントラネットサイトに会社の最新情報を求めて行き、人事(HR)情報のためには別のサイトに行き、そしてマーケティング用の印刷物やオンラインアプリケーションにアクセスする必要がある場合にはさらに違うイントラネットサイトに行くということをしていた。イントラネットが新しくなったおかげで、ユーザーが情報を見つけるためにイントラネットサイトを訪問する回数は3分の1以上も少なくなり、訪問回数は482,362回から320,620回に減少した。

投資に対するポジティブなリターンや、進化したデザイン、ソーシャルエンゲージメントの増加、経営陣のより強力なサポート、企業規模比で見たイントラネットチームのサイズ拡大により、今回、2012年の受賞イントラネットデザインは尊敬し、学ぶことのできる素晴らしい事例を提供してくれている。

フルレポート

2012年の10の受賞団体の187枚のスクリーンショットを含む、431ページのIntranet Design Annualがダウンロード可能である。


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